暮らしの考えごと

将来資産になる「いい家」選びのポイント5つ

  • プロフィール

カキモト アイカ

\ブログで豊かな人生に/ 〇高専卒→大手インフラ企業→建築事務所→フリーWEBライター→マーケティング会社でライター ○一級建築士合格したのに、建築会社で2回の休職… ○繊細さん(HSP) 〇ブログをきっかけにお家で仕事ができるようになりました!

資産となる土地
こんにちは!ガジュマルハウスです。
今回は、資産になる地域の見極め方5選についてお伝えしていきます!

・持ち家は資産になると聞くけど、資産になる家ってどんな家なの?
・住宅の購入を考えているのだけれど、どうせなら将来的に高く売りたい!
・資産になる土地の見極め方って何だろう?

という悩みや疑問を解決します。

この記事を書いている人

カキモト
〇一級建築士合格
〇建築事務所勤務
〇「暮らしの選択肢を広げよう」をテーマにブログ更新中

この記事で分かること
〇不動産の価値はどのように決まるのか
〇不動産の資産価値を大きく決める「立地」の選び方
〇地価の推移の見方

私は、建築事務所にてリノベーション工事を担当していますが、「将来資産になるから」という理由で中古住宅購入+リノベーションを考えるお客様が非常に多いにも関わらず、
その土地の将来の資産性を考えずに土地や家を買ってしまう方がとても多い印象を受けます。

そのため、この記事では「将来の資産性」に焦点を当てて、
資産になる立地の見極め方5選をお伝えしていきたいと思います。

なお、参考文献は、

住生活コンサルタントの大久保恭子さんの
「価値のある家を見極めるための情報」と、私の実務経験を交えてお伝えしていきます。

今回は分かりやすいように一戸建てに絞ってご説明していきます。

→マンションについては、次回の記事で!

1.不動産の資産価値は何によって決まる?

まずは、前提条件として不動産の価値の決まり方についてお伝えしていきます。

 1-1.「需要」と「供給」

不動産もあらゆる消費財と同じように、「需要」と「供給」のバランスで決まります。
つまり、人気の高い(=需要が高い)不動産は価格が上がりやすく、また、希少性がある(=供給が少ない)不動産も価格が上がりやすくなります。

逆に、あまり住みたいと思わない人気の少ない(=需要が低い)不動産や、売却件数の多い(=供給が多い)地域の不動産は価格が下がりやすくなります。

ただし、一般的には価値のないと思われていた不動産でも、「絶景不動産」のように素敵な着眼点によって付加価値を見出している不動産会社もあります。
今後空き家が増えていく中で、不動産の価値観も多様化すべきだとは思うのですが、
今回は分かりやすく「一般的に将来性のある不動産の資産価値」についてお話していきます。

1-2.不動産の資産価値は「立地」「建物」で決まり、「売買のタイミング」によって大きく左右する

一般的に家は、建物と土地に分けて登記されるため、

不動産の資産価値は「土地の価値」「建物の価値」の2つの要素でできており、
「土地の価値」「立地」に大きく左右されます。
さらに、「売買するときのタイミング」は「立地」「建物」以上に大きな影響があります。
そのため、今回は「立地」「建物」「売買のタイミング」がどのように資産価値に影響を与えるかお伝えしていきます。

✔1-2ー1.「立地」がおおかたの価値を決める

まずは、建物と土地を比べてみます。
自然災害などで使用できなくなる特殊な例を除けば、土地は半永久的に利用できます
それに比べて建物には寿命があり、時間の経過とともに目減りし、築25年を超えた木造中古一戸建てを売り出すときの建物の査定評価はゼロという現実もあります。さらに、解体することを考えると、建物の資産価値は最終的には「ゼロ」というより「マイナス」になってしまいます。
そのため、いつかは朽ち果てる建物よりも土地の方が資産になります。

しかし、どんな土地でも資産になるかと言えば、そうではありません。先ほどもお伝えした通り、「人気のない(=需要のない)」土地は借り手がつかず資産にならないものもあります。
つまりその土地はどこにあるかという「立地」が土地の資産価値を大きく左右するのです。

参考

実際の土地の価格を調べるには、
目安となる実勢価格を調べる(適切な目安の価格を把握しておくため)
①過去に取引された周りの土地の実勢価格を調べる(土地総合情報システム
②各指標から実勢価格の目安を調べる(公示価格、基準地価、固定資産税評価額、路線価)
矢印
実際に不動産一括査定にて適切な土地の価格で売買できるか確認しておく
▽参考ドウスル株式会社(売却)
不動産一括査定はこちらから

▽参考タウンライフ不動産(売却)
不動産一括査定はこちらから

という2つの方法を取っておくことをお勧めします。

✔1-2ー2.「建物」にはそれなりの価値がある

建物の資産価値は、
①「寿命」
② リノベーションしやすいなどといった「可変性」
③ 住宅性能表示の耐久性、耐震性、維持、管理のしやすさといった項目の等級

で見分けることができます。

前述した通り、中古流通市場では①のみに着目して、減価法に基づいて、寿命が下がれば下がるほど建物の価値はゼロになっていくという評価が定着しています。

参考

建物価格=再調達価格-減価額
再調達価格=延べ床面積×再調達単価

減価額=(再調達価格÷耐用年数)×築年数

建物構造別の法的耐用年数

ただし、空き家の増加などの背景により、古い家を利活用して長く使おうという国の方針があったことで、
②  中古物件購入+リノベーションの考え方が主要になったり、
「安心R住宅」「住宅性能表示制度」という制度が導入したことで、
寿命だけにフォーカスしない中古住宅への資産価値評価が見直されつつあります。

この厳しい認定条件をクリアすれば、木造で100年、鉄骨コンクリート造なら200年持つとされる「長期優良住宅」に当てはまり、資産価値の高い建物となるのです。

→価値のある建物の見極め方は次回の記事で。

✔1-2-3.売却のタイミングは「立地」「建物」の価値を変動させる

資産価値の重みは「立地」が大半を占めるとお伝えしましたが、買うとき、売るときのタイミングはそれ以上に資産価値を左右してしまうことがあります。
家という資産価値をできるだけ大きくしたいなら、安いときに買って、高いときに売るというのが原則になります。
つまり、買い時は景気の悪いとき、売るときは景気の良いときということです。

また、資産を増やし続けたいのであれば、住宅ローン控除を利用して住み替えを繰り返すことで多くの売却益を得ることができます。

→住宅ローン控除の仕組み
→家を使って資産を増やす方法 については、次回の記事で。

ただし、資産を増やすための住み替えは、自己都合より景気を優先しなければいけなくなります
家は「家族の暮らしを支える器」であることを前提に暮らしの事情に見合った賢い住み替えをお勧めします。

自身の暮らしをあくまでも優先した上で、景気の動向も確認して把握しておくことをお勧めします。
土地価格相場が分かる土地代データ を確認することにより、景気動向をざっくり把握することができますので、
土地を売買するタイミングの目安が分かります
不動産売買のタイミングがありましたら、一度確認してみてください。日本の地価推移のグラフ

土地価格相場が分かる土地代データ より

2.資産価値高く売却するための「立地選び」

さて、第一章では、不動産の資産価値は「立地」と「建物の価値」で決まり、「売却のタイミングによって大きく左右する」ということをお伝えしました。
さらに、「立地」と「建物の価値」では、「立地」がおおかたの価値を決めるともお伝えしました。

そのため、ここからは、資産価値高く売却するための「立地選び」を解説していきます。
ズバリ、下記のポイントに従って地域→土地を選んでいくことです。
もう住みたい地域が決まっている方は、その土地に資産価値があるのかの確認をしてみてください。

30年後資産になる「いい土地」選びのポイント7つ
→価値のある建物の見極め方は次回の記事で。
→家を使って資産を増やす「売却のタイミング」については、次回の記事で。

 2-2.資産価値の高い地域を「人」で見分けるポイント5選

資産価値の高い立地は、都心からの距離や沿線、駅の人気度など主に交通や生活の利便性当で見分けるのが一般的です。
ただし、この方法は大都市には使えても、車社会の地方都市には適さないことがあります。
さらに、近年の新型コロナの影響でリモートワークや地方への移住に関心が強まったことによる住環境の多様性からしても、
「駅から近い」ことや「地価や住宅価格のこれまでの推移」だけでは将来を予測しにくいといった実情があります。

さらに、よく聞く「住みよさランキング」(東洋経済)というのは、
病院の数や新築の数など目に見えやすい数字によって決められているのです。(参照:本当に住んで幸せな街~全国「官能都市」ランキング~-光文社新書-島原-万丈より)
住環境が多様化する中、本当に人が住みたい街(=需要がある街)というのは、「人」に焦点を当てなければ見えてこないのです。
資産価値の高い立地、これから価値の上がる立地を見ていくとそこに集まる人たちには、あきらかな特徴があることが分かっています

これを見極めるポイント5選を紹介していきます。

①資産価値が高いのは、人が今多いところではなくこれから増えるところ
②資産価値が上がるのは、地元民の街ではなく移住民の街
③発展するのは、住む人中心の街ではなく多様な人があつまる街
④資産価値が下がりにくいのは、車に乗る人の街ではなく歩く人の街
⑤資産価値が期待できるのは、伝統産業のではなく新しい産業の街


それぞれについて、見極め方をお伝えいしていきます。
①資産価値が高いのは、人が今多いところではなくこれから増えるところ
「人口の将来予測」と「地価」を見比べてみましょう。
「人口の将来予測」については、国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口」
にて読み取れます。下のグラフはそちらを元にしました。
現在人口が多いところは、練馬区より、大阪市の方が多くなっていますが、
将来人口推移を見ると、大阪市は減少し、練馬区の方が人口が増加していく予想がされています。

練馬区将来人口推移大阪市将来人口推移
国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口」より作成

この将来推計人口と、地価の相関関係ですが、

練馬区の地価推移大阪市の地価
土地価格相場が分かる土地代データ より

このようになっております。
ここで、着目したいのが、
・高度経済成長の終えん1986年の地価より最新の地下の方が高ければ成長性があり資産価値が高い
・バブルの天井1990年の地価より下落率が引くければ、底力があり資産価値が高い
とみることができます。(資産になる「いい家」の見つけ方・買い方-大久保-恭子より)

参考

2040年までで人口が増える主な市・区を載せておきます。
2040年までに人口が増える
国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口」より作成(H25.3)

②資産価値が上がるのは、地元民の街ではなく移住民の街

人工の増減は、自然増減と社会増減で決まります。
自然増減とは、出生数ー死亡数
社会増減とは、転入数ー転出数 となります。

もうお分かりですよね。
地元民の街は、地元での就労機会が少ないために若い人が出ていくことで、社会減
かつ残っている地元民の多くはお年寄りで、生まれてくる赤ちゃんより亡くなる方が多いため自然減

移住民の街は、働く機会が得られやすいため、ほかの地域から若い人が移住してきて社会増
そうした若い人たちが結婚して子供を産むため、生まれてくる赤ちゃんの方が亡くなる方より多く自然増
となるのです。

参考

人口減少が著しい現在で、「増」というのは難しいかもしれませんが、
かつて高齢化率46%人口わずか6019人(2010年)だった街、徳島県神山町では、
「人」にフォーカスしたまちづくりにより、1955年から減り続けていた人口が初めて12人増加したという実績がでています。

人が集まる街にするための「住む、仕事する、遊ぶ」のコンテンツをそろえるため、
NPO法人グリーンバレーの移住支援や空き家の活用により、
10社ものIT企業サテライトオフィス、暮らしを豊かにするカフェやレストラン
が町にはいったことで、「住みたい!(=需要がある)」と思い移住する人が増えてきたことが結果として表れています。

カキモト
私も一度足を運びましたが、以前いっぱいの田舎で最新の技術者たちが集まる、近未来のような新しい感覚でした。暮らしが豊かになりそう…!!

徳島県神山町サテライトオフィス 徳島県神山町サテライトオフィス

徳島県神山町restaurant  徳島県神山町集合住宅

③発展するのは、住む人中心の街ではなく多様な人があつまる街

発展する街かどうかは、昼間人口指数で分かります。
住むだけでなく、他地域から、「働く、学ぶ、遊ぶ」ために多様な人が集まる多機能な街は昼間人口指数が高いのです。
そうした町は、人が人を呼び、さらに多様化していくという好循環で町は発展し、資産価値が上がっていきます。

多摩昼間人口

武蔵野昼間人口
(H22東京都の統計より抜粋)

こちらは、多摩ニュータウン(住む人中心の街)と吉祥寺(多様な人が集まる街)の昼間人口指数を比較してみた表です。
こちらを地価に落とし込んでみると、

多摩市吉祥寺

土地価格相場が分かる土地代データ より
このようになり、多摩市はおおむね横ばいにも関わらず、吉祥寺はゆるやかに右肩上がりとなっています。
多様な人があるまる魅了区的なまちは、資産価値が高いと言えます。

※夜間人口が極端に低い場合においても昼間人口指数が高くなる傾向にあります。
その場合、丸の内やなどの場合は、住む場所には適していないことがあるので、注意が必要です。

④資産価値が下がりにくいのは、車に乗る人の街ではなく歩く人の街

資産価値が高いのは、歩いて用が足せる便利な街、「コンパクトシティ」
日本では、広域化した市街地を中心に寄せる、コンパクトシティ化の波が来ています。
衰退しつつある地方都市でもコンパクトシティ内(特に居住誘導区域)に家を持てば、資産価値の維持につながるかもしれません。

見分けるポイントは、
①電車の駅から徒歩圏内
②バス停のある徒歩圏内から徒歩圏内
③駅から離れていても、業務が集積したオフィスや大型ショッピングセンターがあり、公共交通機関が成立する都市化しているエリア
になります!
特に、衰退しつつある地方都市の「居住誘導区域」に目を付ければ将来の資産性に期待ができるでしょう。

 

イラスト:立地適正化計画イメージ
コンパクトシティイメージ より

 

⑤資産価値が期待できるのは、伝統産業のではなく新しい産業の街

現在伝統産業の企業数割合が一番高いのは、古都、京都の清水焼で有名な東山区です。
また、新しい産業としてIT産業、いわゆる情報サービス業の事業者数が最も多いのは、東京都港区です。

この2つの都市は、働く人の年収にも差があります。
京都きもの友禅は約400万円に対してソフトバンクグループの平均年収は約1100万円と、3倍近い差があります。(年収ガイドより)
それが家の住宅価格や家賃に跳ね返り、資産価値の差にも響いてきているというのが現状です。
ただ、長い歴史に裏打ちされた伝統産業の街には独自の文化があり、住むには魅力的です。
リモートワークが進んで、好きな街を選べるようになったら住むのに魅力的な土地ですよね。
「住みたい街」と「将来の資産性」という観点においては、必ずしも比例しないということでしょうか。

まとめ

今回は、不動産の資産価値の将来性というテーマで、
特に資産価値に対する影響が強い「立地」にフォーカスして、見るべきポイント5つを紹介いたしました。
もちろん「建物」や「土地そのものの価値」「売買のタイミング」もとても大事なので、次回お伝えしていきます。

資産性の高い「立地」を見極めるのは、今回紹介したようなポイントで俯瞰して見てみてくださいね。

「立地」が決まったら「土地探し」です。
良い土地がみつかったら、その不動産の近隣調査 は忘れずに行いましょう。

最後まで読んでいただいてありがとうございました!

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